軟弱地盤の上に盛土をしても変形を抑制する方法

田んぼのように軟らかくて、
上に重たいものを載せると沈んでしまうような地盤を軟弱地盤といいます。
もし、この軟弱地盤の上に盛土をして道路を造りたい、としたら
どうすればいいでしょう?
軟弱地盤の問題

まず、軟弱地盤の問題点を整理しましょう。

1)沈下。地盤が支えきれずに沈んでしまう。
2)地盤のすべりや変形。上に載せた重みで、地盤の変形やすべりが発生します。
3)液状化。軟弱地盤は地震のときに液状化しやすい箇所でもあります。
4)トラフィカビリティ。軟らかすぎる場所では、工事の最中に重機が動くのも大変です。

このうち2)では、地盤が変形することで、上の道路の盛土も変形してしまいます。
模型実験の写真で見てみましょう。

軟弱地盤1_セット

この模型実験の緑色の部分はスライムです。軟弱地盤を表現しています。
黄色いのはピンです。盛土を表現しています。

軟弱地盤のスライムの上に、盛土に見立てたピンを並べます。
そこに、盛土の上を行き交う工事用の重機や、通行する車に見立てた積木を載せてみましょう。

軟弱地盤2_対策無し

積木の重さをスライムは支えきれません。
スライムも、上の盛土もバラバラになってしまいました。

よく見ると、積木の直下の盛土がぐっと沈み、
隙間が開いてスライムが進入しています。

では、どうやって対策しますか?
使う材料は、薄いプラスチックの板1枚です。

(解答の制限時間は5分です 笑)

 

対策の考え方

積木の直下の盛土部分”だけ”が沈まないように考えます。
直下の部分だけ沈むのは、盛土材の底面に一体感がないからです。

そこで、
スライムとピンの間に薄いプラスチックの板を敷きました。
実際の工事では、盛土と軟弱地盤の間にシートやジオテキスタイルを敷きます。

この状態で積木を載せると・・・

軟弱地盤3_シート

上に積木が載っても、ピンの底面がバラバラにならないので
盛土はしなっていますが、沈み込む量が減りました。

もう少し、工夫してみます。
今度は、ピンをプラスチックの板でぐるっと1周巻いてみました。
すると、どうなるでしょう?

軟弱地盤4_巻く

ピンをぐるっと1周巻いたことで、ピンの変形も抑えられました。
変形しにくくなった分だけ、塊として安定して
沈み込む量は、さらに減りました。
盛土補強工法

このように、軟弱地盤と盛土の間にシートを敷いたり
ジオテキスタイルで盛土を巻いてを補強する工法を

盛土補強工法

と、いいます。

盛土補強工法は、軟弱地盤そのものの改良はせず、
上に載った盛土の変形や沈下を抑制する方法です。

盛土を補強するので、
地震時に盛土材や、基礎の軟弱地盤が液状化したときも
盛土自体の変形抑制にも効果が期待できます。
軟弱地盤の対策には他にもある

今回ご紹介したのは、
盛土の変形と沈下抑制に注目した方法でした。

もちろん、軟弱地盤そのものを改良する方法もたくさんあります。
みなさんが、ぱっと思いつかれるのは、
圧密を促進させたり、柱状改良したりする方法かもしれませんね。

そういう意味では、今回は変化球だったかも(笑)

他にもこんな方法がある、と名案が浮かばれた方は
コメントください。

*この実験は
日経コンストラクション第602号(2014年10月27日発行)
ドボク模型プレゼン講座第7回 として掲載されました。

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投稿者: bosaimokeijikken

身近なモノを使った簡単な実験を考案し、説明を通じて、防災学習やPRを行っています。 道路の脇にあるコンクリートの壁にかかる力、 裏山が崩れる原因と、それを防ぐ対策、など 生活の中に隠れている「土の力学」をシンプルに、直感的に説明します。 住民説明会、社内講習会、などで講師をします。 たまに、大学や高専で講義をすることもあります。

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