地すべり中に流れる地下水を豆腐実験で調べよう

豆腐を使って地下水の実験をしました。地すべり地で水が流れやすいのは、頭の引っ張り亀裂から側方部。 地下水を抜くなら、水が流れやすい、これらの場所を狙うといいでしょう。

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もうじき梅雨になりますね。 大雨が降ると地すべりが動くことがあります。 地すべりが動くのは、主に地下水が原因です。でも、地下水がどこに流れているかというのは、意外と難しい問題です。

参考:雨が降って山が崩れる

地すべりが 動かないように、排水ボーリングをします。 でもこの排水ボーリング、「当たるも八卦」なんて言われることもあります。

実際、同じところで、等間隔で排水ボーリングをしても、水がよく出るボーリング孔と、ほとんど水が出ないボーリング孔に分かれたりします。

地下水は中を一様に流れているわけではなく、流れやすいところを流れているのです。では、どこが流れやすいのでしょう?

豆腐を使ったこんな実験をしてみました。撮影中のものを編集したので、途中でフラッシュが光ります。ご了承ください。

豆腐を地すべりに見立てた実験でわかったことは、次のことです。

水が流れやすい所は、地すべりの頭部と側方部。

頭付近と側方は、隙間が開きやすいので、水も流れやすいようです。実際に地すべり地でも、湧水をよく見るのは、ブロックの端っこの方が多いですね。

意外なことに、底の方はあまり水が流れていませんでした。底の付近は、すべり面と呼ばれるところ。「すべっている所」というのは裏を返すと「一番強く接触している所」です。隙間が開きにくいので、水も流れにくかったようです。

・排水ボーリングから水がよく出るのは、底よりもちょっと上

実験では、排水ボーリングに見立てたストローを豆腐に差しました。下のストローは底の方、上のストローはちょっと上の頭の亀裂が開きそうなところです。

実験で確かめたところ、上のストローからの方が、下のストローより、水がたくさん出ました。水がたくさん出るということは、地すべり地内の水も、よりたくさん排出されるということです。

まとめ

ということで、今回の実験をまとめます。

  • 地すべり地で水が流れやすいのは、頭の引っ張り亀裂から側方部。
  • 地下水を抜くなら、水が流れやすい、これらの場所を狙うといいでしょう。

薄いシートで地盤はなぜ強く? ドボク模型プレゼン講座Ⅱ

日経コンストラクション2018.5.14号に
ドボク模型プレゼン講座Ⅱが掲載されました。

第11回目は

「薄いシートで地盤はなぜ強く?」

ということで
補強土工のドボク模型実験です。

そのままでは強さが足りないときに
ジオテキスタイル呼ばれる
プラスチックのシートを挟んで
土の強度をあげることがあります。

最近ではシートの代わりに
アクリル繊維を入れることも。

昔は土壁の中に
藁をいれて強くしていました。

土の強度が上がるので
そのままだったら崩れてしまう勾配でも
土を盛ることができるようになります。

土の中にシートを敷く、という単純なものですが
仕組みをしっかり学んでおくことは大事です。

そうですね。。

誌面では掲載していないですが
補強土の仕組みを
「綱引き」で考えてみます。

たとえば
砂粒AさんとBさんが
直接手をつないで
お互い反対方向に引っ張り合うとします。

このとき
Aさんと Bさんの力は互角。

そこに綱引きの綱を持っています。

そして今度は
Aさんは一人のままだけど
Bさんは仲間を連れてきて
3人で綱を持って引っ張ります。

当然ですけど
BさんチームはAさんに楽勝。
最初にくらべて
ずっと強くなりました。

この綱の役割をしているのが
土の間に入れる
シートや繊維です。

仲間ができて
一緒に引っ張ることができるので
パワーアップできるんです。

そして、さらに大事なのは

土のかかってる力の方向を考えること。

綱引きで力を発揮できるのは
引っ張ったときです。

だから、土が変形しようとして
引っ張る方向に合わせて
シートや繊維を入れてやるほうが効果的です。

重力によって下向きの力が働いていて
鉛直方向には
土の粒々は押し付けられています。

一方で、水平方向に力が働くときは
土の粒々は離れる方向に力が働くことが多く、
引っ張られることに。

なので、

シートや繊維の補強材は
水平方向に設置します。

もし、補強土の現場を担当したら
ドボク模型実験で
もう一度振り返ってみてはいかがでしょう?

実験のやり方や動画もあるので
誌面や、ウェブ版も
ぜひ見てくださいね。

日経コンストラクション:模型実験プレゼン講座一覧こちら

ブログのご感想や
模型実験のことについても
コメントをください。

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お問い合わせ」のところから
メールできます。

トンネル模型実験の活用事例

今日はドボク模型が活躍している事例を紹介します。

トンネルのドボク模型が、
徳島県の「猪ノ鼻トンネル」の
コミュニティハウスに登場しました。

DSCN0837

一般の方々にトンネルの力学を
学んでもらうためのものです。

実際のトンネルの現場をみても
仕組みはピンとこないかもしれないですが

模型で見ると
直感的にわかります。

トンネルの奥に隠れている、
魔法の鉄の棒を理解してもらえると
嬉しいですね。

トンネル工事などで
住民コミュニケーションを考えられる方は
参考にしてみてはいかがでしょうか。

土塊動かす水はどこから?

毎回ご報告が遅くなってしまってますが
(というのが、もはや恒例になってしまいました・・・)

日経コンストラクション2018年2月12日号の
ドボク模型プレゼン講座Ⅱに
排水ボーリングのドボク模型実験が掲載されました。

排水ボーリングって地すべり対策の基本なんですけど
「当たるも八卦」みたいな感じになってしまうことも。。。

地下水が地すべりの原因になるのは分かっていて
地下水を抜くための排水ボーリングに効果があるのは
分かっているのですけど

正直なところ
どこを狙って排水ボーリングをするのか?
というのは難しい。。。いや、本当に。

ということで
地すべりに見立てた豆腐を使って
どこに地下水が流れているのか
実験してみました。

豆腐を使って
地形的な視点でどこに地下水が流れているのか
当たりをつけよう、という実験です。

実験は
豆腐を地すべりの形におたまでくり抜いて
もう一度くぼみに戻します。

くり抜いた方が地すべりする方、
戻した方が動かない、地山の方です。

次に、排水ボーリングに見立てたストローを
地すべりする方の豆腐にぶすっと差して
穴を開けます。

そして
食紅で色を付けた水を隙間に注入。

どこに穴を開けると
水がでやすいか?という実験です。

実験の結果は、、、
日経コンストラクションの記事や動画を見てほしいのですが(笑)

それではあんまりなので
ヒントを書いておきますね。

排水ボーリングで水がでやすいところ、というのは
地下水がたくさんありそうなところです。

では、地下水がたくさんありそうなところとは?
それは、水がいる空間、というか隙間がたくさんあるところです。

では、隙間がたくさんあるところとは?
地すべり場合は、地形的にあの辺り??
それが、答えです。

何だか当たり前のことを言ってるだけのように
聞こえるかもしれないですね。

大事なことというのは
シンプルなことが多いですから
模型を利用しながら
シンプルに考えていくことは効果的です。

今すぐはピンとこないかもしれないですけど
そう思って現場に行くと
きっと、ここには水があるにんじゃないかな、と
気づくことがあるでしょう。

ささいなことでも
こうやって自分で考えることができるのが
大事なことだと思います。

とはいえ、
実験の結果を知りたいあなたは
日経コンストラクションの記事を
ぜひチェックしてみてください!

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会員登録すると実験動画も見ることが出来ますよ。

落石の衝撃にどう耐える?

毎回ご報告が遅くなってしまってますが
日経コンストラクション2018年1月8日号の
ドボク模型プレゼン講座Ⅱに
落石実験のドボク模型実験が掲載されました。

ちょうど落石対策便覧が改正されたばかりで
注目が集まる落石対策。

落石対策工の設計の基本的な考え方を
振り返るきっかけにしてみてください。

第9回落石実験

落石対策として一般的なのは
「落石防護柵」と「ポケット式落石防護網」
です。

この2つは似ているように見えますが
落石エネルギーを吸収する考え方が
ちょっと違います。

一般的な落石防護柵は
落石を跳ね返すので
全部の落石エネルギーに耐えないといけません。

一方、ポケット式落石防護網は
落石を受け流すイメージなので
その分、網が吸収するエネルギーは小さくなります。

部材の一部を変形させて
エネルギーを吸収する仕組みにすることで
大きな落石エネルギーに耐えようというのが
高エネルギー吸収型落石防護柵です。

「わざと」弱い部分を作っておいて
その部分に集中する変形を
コントロールする仕組みです。

緩衝装置とよばれるこの部材を
ドボク模型実験では
結束バンドで作りました。

部材にかかる衝撃が大きいと
紙が破れるようにして
吸収できたか、できなかったかを
可視化しています。

おもしろい実験になったので
まだご覧になっていない方は
ぜひチェックしてみてください!

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アンカーが破断するとどうなる?

日経コンストラクションに連載中の
ドボク模型プレゼン講座Ⅱ。
第8回のテーマは「アンカーが破断するとどうなる?」です。

斜面にある十字印のコンクリートには
ワイヤーがあって
山が動くのを抑えているので
いつも力がかかっている状態にあります。

この構造物をアンカー工と呼んでいます。

橋やトンネルのコンクリート構造物で
維持補修の大切さが注目されていますが
アンカー工にも老朽化の波は押し寄せています。

アンカー工で問題となるのが多いのは
山の中で引っ張っているワイヤーの破断です。

初期のアンカーは
ワイヤーの錆止め技術が不十分なことがあり
切れてしまう事例がではじめました。

ワイヤーの切れる位置によっては
文字通りポーンと飛び出してしまうので
とても危険です。

川の向こう側まで飛んだ、といった
噂話を聞いたこともあります。

飛び出してしまうのは
ワイヤーが奥側で切れたときです。
想定より大きな荷重が作用して
すべり面の近くで破断してしまうと

アンカーの頭部側にエネルギーが解放されて
飛び出してしまいます。

アンカーの破断でよくある
もう一つのパターンとしては
十字印のコンクリートの
すぐ裏側に水が回るなどした場合。

この場合は飛び出すことはないですが
歩道に落ちてくるため
斜面の下を歩いている人に当たるかも。

どちらにしても危険です。
ワイヤーが破断する前に点検して
異常に早く気がつくことが大事です。

日経コンストラクションの記事→(コチラ
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地震に強い石垣とは?

日経コンストラクションに連載中の
ドボク模型プレゼン講座Ⅱ。
第7回のテーマは「地震に強い石垣とは?」です。

先日ご紹介した
建設技術展で行った実験内容が
記事になりました。

地震、石垣というキーワードで
思いつくのは
「熊本城の石垣」
でしょうか。

熊本城の石垣も
過去の地震に何度も耐えてきました。

石垣の仕組みについて
実験しながら
地震に強い擁壁の構造についても
応用できないかも考えてみました。

いろんな基準ができる前
昔の人の知恵が詰まった構造物の
そもそもの仕組みを継承し

現代に応用していくのであれば
技術者冥利に尽きますね。

日経コンストラクションの記事→(コチラ
会員登録すると実験動画も見ることが出来ます。

 

建設技術展近畿 土木実験プレゼン大会

2017年10月25日に建設技術展近畿で「土木実験プレゼン大会」が開催されました。今回は、藤井俊逸が「石垣の強さ実験」を行いました。

2017年10月25日に建設技術展近畿で
「土木実験プレゼン大会」が開催されました。

この大会は2009年からスタートし、
土木学会関西支部の名物企画となっています。
藤井基礎設計事務所は、毎年参加しています。

今回は、藤井俊逸が「石垣の強さ実験」を行いました。

●会場の雰囲気
所々にモニターがあって、
プレゼン場所から遠くの人も
土木実験が見やすいようになっています。

見ている人

●実験内容
「石垣の強さ実験」で、
お城の石垣が強い理由を考えてみたいと思います。

熊本地震は、2016年4月14日・16日に、
熊本県と大分県で、発生した、最大震度6強の地震です。

熊本城の石垣が、崩れたことが、ニュースになりましたね。
飯田丸5階櫓の石垣は、崩れましたが、
コーナー部分の算木積み1本が最後まで踏ん張って、
飯田丸5階櫓の崩壊を防いだことが話題になっています。

この石垣、直高15m、勾配65°位。
今の基準では到底もたない擁壁ですが
なぜ、こんなに強いのかを解明する実験です。

実験ケース.jpg

ケース1 傾斜→直線・積み方→水平・石→大
ケース2 傾斜→直線・積み方→傾斜・石→大
ケース3 傾斜→寺勾配・積み方→傾斜・石→大
ケース4 傾斜→寺勾配・積み方→傾斜・石→大小混合

これらの石垣に、重力と振動を作用させて、
変形状態を実験で確認していきました。
結果は、この通り。

藤井結果発表.jpg

ケース1→ケース2→ケース3→ケース4の順番で、
移動量が小さくなりました。
この理由について、解説をしました。

詳細については
日経コンストラクションの「ドボク模型プレゼン講座第2弾」で
掲載される予定ですので
おたのしみに!

全員写真.jpg

みなさんも
模型実験プレゼンに挑戦してくださいね!!

杭に働く力とは?

先日、日経コンストラクションに
最新のドボク模型実験を紹介しましたが

振り返ってみたら
第4回と第5回をブログで
紹介していませんでしたので

今回は第5回のご紹介です。

第5回のテーマは
「杭に働く力とは?」です。

もう1年前くらいになるのか

マンションを支えている杭が
地面の中の硬い層まで届いておらず
建物がゆがんだ

というニュースがありました。

硬いところじゃないと
重さを支えられない

というのは
イメージしやすいし
分かった気になるのですが

じゃあ、そもそも

どんな力(重さ)を支えなくちゃいけないのか?

を、考えてみると

実は建物の重さだけ、と
単純にはいかないのです。

特に

軟弱地盤と呼ばれるところでは
(杭基礎のところはほとんどそうですが)

建物の重さ以上の力が
杭に働くことがあります。

支持層と呼ばれる地盤は
建物の重さにプラスして、その力にも
耐えなければいけません。

その正体と、力が働く仕組みとは?

ぜひバックナンバーを探してみて
もう一度確認してみてください。

日経コンストラクションの記事→(コチラ
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斜面に差し込む鉄筋の役割は?

先日、日経コンストラクションに
最新のドボク模型実験を紹介しましたが

振り返ってみたら
第4回と第5回をブログで
紹介していませんでしたので

今回はさかのぼって
ドボク模型プレゼン講座Ⅱ第4回のご紹介です。

第4回のテーマは
「斜面に差し込む鉄筋の役割は?」です。

このブログを訪れているのは
ほとんど土木業界の方だと思いますので

「鉄筋挿入工」

という言葉に馴染みがあるかもしれません。

斜面に鉄筋を差し込むと
表層崩壊を防ぐ工法です。

地面内に鉄筋を入れるというと
何となく
トンネルのNATM工法に似てますね。

それに
斜面の崩れるのを防ぐというと
アンカー工法にも
似ています。

実際のところ

鉄筋を地面に挿して
地面の中にアーチを作るところは
NATMに似ているし

斜面が崩れるのを防ぐための計算方法は
アンカー工法と同じです。

計算方法は同じでも
アンカーと全く同じではないので
斜面対策として
効果がでない現場もあります。

どこまでが同じで
どこが違うのか

原理や仕組みを知っておくと
自信を持って
現場で判断できます。

ぜひバックナンバーを探してみて
もう一度確認してみてください。

日経コンストラクションの記事
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