ストローとトイレットペーパーに乗れる理由

ストローをトイレットペーパーで巻くと人が乗れる実験(コチラ)いかがでしたでしょうか?この実験は、大学生の出前授業や、学会なんかで披露したときには一番反応がよいです。自分が乗れるなんて、なかなか想像できないですよね。

では、なるべく簡単に原理を説明したいと思います。

まずは、材料の性質のおさらいです。

1.ストローは、周りから押される力には強いけど、簡単にバラバラに離れる。
2.バラバラになるときは、横(水平方向)に広がる。
3.トイレットペーパーは、1kg以上(2kg未満)の引張る力に耐えられる。

これらの性質から模型実験で見た様子を整理してみます。

ストローの集まりだけの状態で、上から重りを乗せると横に広がりました(2番)。粒々の集まりに、上から下に(鉛直方向に)力をかけると、横(水平方向)にも力がかかるからです。

横に広がると、ストローは自由に動けるので、バラバラになります。ストローとストローは、くっつく力が弱い(というか、ほとんどゼロ)ので、すぐにバラバラに離れて崩れてしまいます(1番)。

トイレットペーパーで巻くと、横にバラバラになろうとしていたストローを拘束します。ストローが横に広がろうとする力に、トイレットペーパーが耐えられると、ストローの形が崩れません(3番)。そうすると、上からの荷重を支えることができます。

ちなみに、トイレットペーパーがストローを拘束する力は、立場を逆にすると、ストローがトイレットペーパーから押される力になります。ストローは指で簡単につぶすことができますが、上下左右から同時に力を加えると、なかなかつぶれることはありません(1番)。今度、試してみてください。
原理が分かったところで、もう一度、実験を見てみましょう。


単純に見える現象にも、よくよく考えると複雑な仕組みが働いています。もっと詳しい力学的な内容は、こちらの書籍に書かれていますよ。理論式に数字を当てはめてみると、さらに驚くことでしょう。

土質力学 (基礎土木工学シリーズ)

あ、土のう実験後半で、横幅を少し狭く、縦幅を少し厚く形を変えただけで、同じ体重でも支えることができなくなる理由は分かりましたか?コチラは考える楽しみとして、残しておきますね(笑)

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【動画】ストローをトイレットペーパーで巻くと人が乗れる!

単体では非力でも、組み合わせると、驚くような力を発揮することができます。今回は、まさにそんな驚きの模型実験です。ストローをトイレットペーパーで巻くと、何とその上に人が乗ることができます!
ストローも、トイレットペーパーも、それだけでは重りを支えたり、持ち上げたりすることはできません。でも、両者を組み合わせると、支えられる力は格段に大きくなります。実験動画を見て、確かめてみてください。

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人が乗った模型実験の動画はこちらです。もちろん力学的な根拠があります。秘密は、巻いたときの形状です。形を少し変えると、同じ体重でも支えることができなくなります。平べったい方が支えられる力が大きくなります。

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これらの実験は、土木の現場で使われている「土のう」の力学を説明する模型実験です。ストローが砂、トイレットペーパーが土のう袋です。最近では、土のうにも色々な使い方があります。

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*日経コンストラクション第588号(2014.3.24発行)に掲載された模型実験です。力学的な詳しい説明は、紙面に紹介されていますよ。