落石の衝撃にどう耐える?

毎回ご報告が遅くなってしまってますが
日経コンストラクション2018年1月8日号の
ドボク模型プレゼン講座Ⅱに
落石実験のドボク模型実験が掲載されました。

ちょうど落石対策便覧が改正されたばかりで
注目が集まる落石対策。

落石対策工の設計の基本的な考え方を
振り返るきっかけにしてみてください。

第9回落石実験

落石対策として一般的なのは
「落石防護柵」と「ポケット式落石防護網」
です。

この2つは似ているように見えますが
落石エネルギーを吸収する考え方が
ちょっと違います。

一般的な落石防護柵は
落石を跳ね返すので
全部の落石エネルギーに耐えないといけません。

一方、ポケット式落石防護網は
落石を受け流すイメージなので
その分、網が吸収するエネルギーは小さくなります。

部材の一部を変形させて
エネルギーを吸収する仕組みにすることで
大きな落石エネルギーに耐えようというのが
高エネルギー吸収型落石防護柵です。

「わざと」弱い部分を作っておいて
その部分に集中する変形を
コントロールする仕組みです。

緩衝装置とよばれるこの部材を
ドボク模型実験では
結束バンドで作りました。

部材にかかる衝撃が大きいと
紙が破れるようにして
吸収できたか、できなかったかを
可視化しています。

おもしろい実験になったので
まだご覧になっていない方は
ぜひチェックしてみてください!

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落石対策:網と柵ではエネルギー計算が違う

ロックネットとストーンガードの
設計で使われている「落石エネルギー」の計算式は違います。その差は何か?ドボク模型実験で考えてみました。

今日は専門家向けの内容です。

テーマは

ロックネットとストーンガードの
設計で使われている

「落石エネルギー計算式の違い」

です。

落石対策便覧に掲載されている
落石エネルギーの算定式を見てみると

ロックネットでは網に当たる分力を考慮しています。
IMG_0003.JPG

ストーンガードではよく見る感じ。
IMG_0002.JPG

改めて2つを比べてみると

ストーンガードの式では
第1項にβの関数が入っていますが
ロックネットの方にはありません。

(最後の方の違いは
単に石がネットに当たるときの
力の向きを換算しただけです)

ロックネットではβ
すなわち回転エネルギーの係数を
無視していることになります。

これをドボク模型実験で
視覚的に表してみました。

まずは
ロックネットのドボク模型実験動画を見てください。
ボールはネットに当たって
回転しながら落ちていますね。

シュルシュルシュルと音がしているので
ボールの回転エネルギーは
摩擦による熱エネルギーで消費されたと
思われますが

ほとんど変わらないようです。

ということは

ネットには回転エネルギーがほとんど伝わらない

と言えそうです。

なので、
ロックネットの落石エネルギー計算式には

回転成分については無視されている

と推測します。

一方、ストーンガードは
落ちてきた石が突き破らないように
エネルギーを全部受け止める必要があります。

ストーンガードのドボク模型実験動画です。
よく見ると
ボールがネットに当たったあと
回転が止まっていますね。

回転が止まっているということは

ネットが回転エネルギーも受け止めた

と言えそうです。

なので
落石の全エネルギーである

回転と運動の両方を

見込んだ計算式になっています。

ロックネットとストーンガードの
設計で使われる

落石エネルギー計算式の違いについての
ドボク模型実験でした。

模型実験をしてみて

石の形が角ばっていると
ロックネットに当たったときに
回転も止まってしまいそうだな

と、感じました。

そう思うと
ロックネットでも回転エネルギーを
考慮したほうがいいのかもしれないですね。

実は、なぜ違うのかと質問を受けて
ぱっと答えることができなかったので
模型実験を作りながら考えました。

我ながらうまく整理できた気がします(笑)

と、思っていたのですが

ブログにコメントをいただき
大幅に修正しました。

今回削ったところの実験は
また別の記事でまとめますね。

フィードバックをいただけて
本当にありがたいです。

マニアックな内容は
たまには、と思っていたのですが

思いついたら
どんどん実験していくことにしますね。

また色々と教えてください。